
この幼稚園で使用した屋根の素材は「亜鉛」です。 「チタン亜鉛合金」という99.7%の亜鉛と微量のチタン、銅などの合金です。 ベルギーで製造されて約200年の歴史があるようです。
60年鎮座した旧園舎の形状を継承し、地域のシンボルにもなりうる屋根です。 こどもが絵に書くように、幾何学的にできるだけ単純でシンプルなかたち。 切り妻状のものと、片流れ状のものに側面にも同じ材料を巻き込むようにしています。 単純なかたちに対して、いろんな表情がでるように葺き方を工夫できないかと。
この亜鉛合金は、ほぼ亜鉛素材そのままの表情を生かせる材料であり、無塗装板であるため、曲げても皮膜が剥がれることなく、切り口から腐食することもありません。 この金属は銅板と同様に錆びを生成することで腐食から身を守るそうです。 メンテナンスフリーで、様々な曲げ加工にも対応できる材料なのです。 湘南海岸から約700mの沿岸部の立地では、なおさら有意義なものになるでしょう。
今回は、縦はぜ葺きや平葺きなどを組み合わせたり、樋や壁の幕板としても使用しています。外壁の板張りの柔らかい感じも手伝ってか、天気や見る角度によって濃いグレーにみえたり、ブルーにみえたりと周りの環境を写しているようです。
亜鉛素材そのままの表情は、年月が経つにつれ次第に色調が変化し、落ち着きと風格が増してゆきます。この材料も前述しました「経年優化」を期待できる材料といえるでしょう。

上は年少棟(平屋)の軒下空間。 先に説明したアエンノヤネの延長部分です。西向きの建物であるためできるだけ多くの光を上部よりとりいれています。材料は半透明の複層ポリカーボネイド板です。外壁と同様のウエスタンレッドシダー(米杉)の垂木と重なり、やわらかい光を取り込んでたいへんにここちよい空間です。

テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術
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