先日、ミラノにあるレンゾピアノ設計の建物を視察する機会に恵まれ行って来た。 私はこの建物の近所に住んでいるので、以前から気にはなっていたが、中に入る機会がなかった。
私にとってレンゾピアノは特別な存在である。 イタリアに来たきっかけのひとつに、レンゾピアノがいるのだ。 日本に来て講演した時の言葉がとても印象に残り、それがひとつのきっかけにもなっている。ミラノ工科大学を選んだのも、そのためだ。
ミラノはイタリアの中で一番都会と言われているが、古い建物もたくさんある、イタリアの一都市だ。 この建物の外観は、透明ガラスが印象的な、いかにもピアノらしい、周りの建物とは一線を画している。

中庭と建物
写真、模型では見ていたが、やはり建物は実際に見て中に入らなければ感じることができない。又聞ききは自分の感覚ではないのだ。 この建物の中には、新聞社、大手会計事務所、銀行、車のショールームなどが入っていて、説明をしてくれた人が「イル ソーレ ヴェンティクアットロ オーレ(新聞社の名前で、日本で言う日本経済新聞と言ったところ)ビルと呼ばれているが、実際は私たちだけではなく、いろいろな会社が入っているんですよ」と言うことだ。 建物はコの字型で、中庭は盛り上がり丘のようになっていて、かなりの植栽がある。 話によると、ミラノの典型的なアパートの形を残した設計と言うことらしい。確かに通常イタリアのアパートは箱型でその中央には中庭があり、四方は建物で塞がれている。ただこの建物は一面だけ開放され、外から中の植栽を見ることができる。少しだけ開放的なのだ。
入り口の天井が低い空間を通り過ぎて中に入ると、大きなアトリウムがある。そこには新宮新の彫刻が天井から吊られ、ゆらゆらと空間を泳いでいる。その正面は中庭に向かって吹き抜けいっぱいにガラスである。南に向いているので太陽がいっぱいに差し込むのだが、太陽の入射角度によってブラインドの開閉が自動調整されている。行った時は午後3時過ぎだったか、ブラインドがほとんど下りていて吹き抜けから中庭のうっそうとした樹木は見ることができなかった。ブラインドが上がっている時は外の道路からも中庭の緑が見えるとのことだ。建物と緑の一体感はレンゾピアノの特徴でもあるが、あいにくこのブラインド装置が繫がりを断ち切っていた。あれだけのガラスで、おまけに南向きと言うことは、ほとんどブラインドが下がっていると言うことになる。残念!

入り口のアトリウムと例のブラインド 天井から吊るされている新宮新の彫刻
この大きな空間、実は自然空調でまかなわれていて、人工的な空調設備がないとのこと。建物の下には駐車場があり、その下に地下水が貯められ、自然に送り込まれる風が冷気に変わり、その風をアトリウムに送り込み冷やしているというのだ。
〜続く〜
(ishiyama)

テーマ:建築、土木 - ジャンル:学問・文化・芸術
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